敏感肌の人が覚えておきたい原因と気になる症状について
市販の化粧品を使うと皮膚がピリピリしたり赤くなったりと、敏感肌に悩まされる人が増えているようです。
敏感肌専用のスキンケア化粧品もよく目にするようになりましたが、そもそも敏感肌とはどのような状態を指すのでしょう。敏感肌とはどんな状態なのか、また敏感肌になる原因や解決策についても詳しくご紹介しましょう。
敏感肌の定義は?
健康な肌であれば問題のない成分や刺激にも過剰に反応してしまうのが敏感肌です。ただ、医学的に敏感肌という皮膚疾患はありません。
洗浄力の高い洗剤や市販のスキンケア化粧品などを使用した時に、あるいは衣類などの繊維に対して普通の人よりも反応しやすい肌のことを敏感肌と呼んでいます。
敏感肌は血液検査などで数値化して判断できるものではなく、あくまでも通常よりも過敏な肌状態のことを指しています。
最近では、市販のスキンケア化粧品でピリピリしたり炎症を起こしたりと過剰に反応する敏感肌に悩まされる人も増えています。ですから肌への刺激となる恐れがある成分が排除された、敏感肌専用のスキンケア化粧品やメイク用品も増えていて人気があります。
敏感肌はどんな肌状態なの?
敏感肌は、化粧品や洗顔料、衣類の繊維や洗剤、紫外線といった外部からのさまざまな刺激に対して弱い肌のことです。
通常であれば問題のない化粧品や洗顔料、衣類や洗剤でも、敏感肌の人が使うと肌に不快な症状が起こります。
ピリピリとしたり炎症を起こす他、かゆみや痛み、かぶれやほてりなどの症状を引き起こす人も多いです。例えば、化粧水などには少量のアルコールが含まれていることが多いのですが、これでピリピリと赤くかぶれる敏感肌の人も多いです。
顔全体が赤くなる赤ら顔も、敏感肌特有の症状です。敏感肌は些細な刺激にも弱くなるとてもデリケートな肌状態のことで、人によっては昨日までは問題なく使っていたスキンケア化粧品でかぶれてくることもあります。
敏感肌になるメカニズムについて
外部からの刺激に過敏に反応してしまうのが敏感肌ですが、このような肌になってしまうのは本来肌に備わっているバリア機能が弱まっているからです。
肌内部にある角質層には、細胞間脂質や天然保湿因子と呼ばれる水分を保つ働きがある成分があり、これが肌内部の水分蒸発を防ぐと同時に外部からの刺激から守ってくれています。
細胞間脂質や天然保湿因子などの保湿成分が、何かしらの理由で減少すればバリア機能が低下します。角質層の水分や油分が減少してバリア機能が低下した状態が敏感肌で、さまざまな刺激に弱くなります。
敏感肌を引き起こす直接的な原因はバリア機能の低下ですが、バリア機能が低下する原因は人によってさまざまです。
間違ったスキンケアで敏感肌に!
間違ったスキンケアを知らず知らずにくり返し、敏感肌に陥っている人も多いです。思っている以上にクレンジングと洗顔のダメージは大きいものです。
もちろん、メイクや皮脂汚れを落とすことは大事ですが、入念に行い過ぎることで、角質層にある必要な細胞間脂質や天然保湿因子までも落としてしまっているのです。
肌への負担が大きいシートタイプのクレンジングを愛用している人やゴシゴシと力を入れて洗顔している人、パックやピーリングを頻繁に行っている人は要注意です。
乱れた食生活も敏感肌の原因に!
乱れた食生活も敏感肌の原因となります。皮膚の元になっているのはたんぱく質で、肌の代謝を活性化するためにはビタミンAやビタミンC、亜鉛なども必要です。女性に多い貧血も肌に影響してきます。健康な皮膚を作るためには鉄分も必要です。
極端な食事制限によるダイエットをする女性が多いですが、それでは健康な皮膚を作るために必要なたんぱく質やミネラル、ビタミンも不足してしまいます。ファーストフードや外食の多い食生活や、レトルト食品や缶詰、加工食品の多い食事も肌には悪影響です。
食生活が乱れていたのでは、いくら高価な化粧品を使っても効果が得られないばかりか敏感肌などの肌トラブルを引き起こします。
腸内環境は特に注意!
腸内環境も肌には大きく影響しています。野菜不足だったり脂っこい食事や加工食品の多い食事が続けば腸内環境もどんどん悪化していきます。腸内環境は食事からの影響で一気に良くも悪くもなるので注意が必要です。
乱れた食生活で悪玉菌が増えると美肌のために欠かせないビタミンB群の合成が低下していきます。
さらに悪玉菌は腸内で有害物質をたくさん発生させ、これが腸から吸収されて血液の中に入り全身を巡るようになります。便秘にもなり吹き出物やニキビなどの肌トラブルも引き起こします。腸内環境の悪化は敏感肌の原因にもなるので要注意です。
ストレスでも敏感肌に!
強いストレスも敏感肌の原因となります。ストレスにも人間関係や仕事などのストレス、睡眠不足や生活習慣の乱れなどさまざまなことがストレスとなります。
これらの身体や心にかかるストレスは、自律神経のバランスを乱します。自律神経が乱れると昼間優位になる興奮をもたらす交感神経が常に優位な状態になります。
そうするとストレスホルモンのコルチゾールが分泌され、免疫機能が抑制されてしまいます。免疫力が低下すれば外部からの刺激に抵抗できない弱い肌となり、肌荒れやかゆみを引き起こす敏感肌になります。
ストレスにより自律神経が乱れると身体の冷えも起こり、これも敏感肌の原因にもなります。自律神経が乱れると睡眠の質が低下して血行も悪くなり身体の冷えを招きます。身体が冷えると肌のターンオーバーも低下して、敏感肌などの肌トラブルが起こりやすい状態となります。
敏感肌のスキンケアのポイント
敏感肌の人は、クレンジングや洗顔で皮脂を落とし過ぎないように注意が必要です。
まず洗浄力の高いクレンジング剤や洗顔料は避けましょう。オイルタイプのクレンジングは洗浄力が高いので、ミルクタイプやクリームタイプのクレンジング剤がおすすめです。洗顔料は添加物の入っていない固形石けんがおすすめです。
極力摩擦を加えないようにして、ササっと素早くクレンジングしましょう。洗顔料はたっぷりと泡立てて、こちらも素早く洗うのがポイントです。
化粧水や美容液、クリームなどは低刺激で高保湿タイプのものがおすすめです。セラミドが配合されたスキンケア化粧品がおすすめで目元や口元などの乾燥が激しい部分は重ねづけをしましょう。
敏感肌におすすめの食べ物
敏感肌の人は、ファーストフードやカップラーメンなどのジャンクフードは極力避けましょう。これらの食べ物には、肌に良くない質の悪い油がたくさん含まれています。
バランスの良い食事が基本で、たんぱく質や鉄分、亜鉛などのミネラルを豊富に含むお肉や魚、卵と同時に緑黄色野菜や海藻類などもたくさん摂りましょう。ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富な果物や、腸内環境を良くするために、ヨーグルトやお味噌、ぬか漬け、納豆などの発酵食品も積極的に食べましょう。
ストレスを溜め込まないことも大切!
敏感肌はストレスも大きく影響しています。これまで使っていた化粧品が、ピリピリしてきて合わなくなったようなら疲れが溜まっているのかも知れません。ストレスを溜めないためには、適度な運動をしてリフレッシュしたり趣味の時間を持ったり温泉に行ったりと好きな時間を持つことが大切です。
毎日のクレンジングや洗顔、食べ物やストレスなどが敏感肌の原因となっています。敏感肌は肌本来のバリア機能が低下している状態ですから、放置しないですぐに洗顔などを見直して下さいね。